猫好きおじさんな作曲家たち
こんにちは、スウです。
今週のお題「ねこ」は恐らく2月22日を狙って選ばれたのでしょうが、あえてそれをスルーする私は猫派でございます。ただし画面上の猫で十分です。。。
さて、本題の猫派な作曲家たちについて見ていきましょう!
🐈カール・ツェルニー
猫好きおじさんとして、クラシック音楽ファンの間では有名なツェルニー。
”楽聖”ベートーヴェンの弟子であり、”ピアノの魔術師”フランツ・リストがまともにピアノを習った唯一の先生です。(ちなみに晩年のベートーヴェンに幼きリストを紹介したのも彼)
9歳でデビューするなど幼いころから天才っぷりを発揮していた彼ですが、大舞台に立ったのはピアノ協奏曲第5番<皇帝>のウィーン初演のソリストくらいで、小さい演奏会はあれど、基本的にはピアノ教師としてのレッスンとエチュードなどの作曲で生計を立てていました。
ツェルニーは(仕事なので当然)レッスン代をきっちり取っていましたが、リストだけはタダで教えたそうです。当時からリストの才能は抜きんでていたのでしょう。
ちなみに弟子のリストはレッスン代を全く取りませんでした。リサイタルだけで十分稼いでいたからでしょうか?心が広いというよりはお金に余裕があったと見るべきだと思います。(とはいえ、リストは音楽界の中でもかなりお人好しで良いヤツだろうと思いますが;)
実は、ヨーゼフ・ゲリネクからベートーヴェンの名前を聞いたのがきっかけで楽譜を買うようになり、弟子入りに繋がってゆくなんていうエピソードもあったりします。
※ゲリネクは当時ウィーンで名の知れたピアニストであり、晩餐会でベートーヴェン(耳の病気もなくピアニスト全盛期)と即興演奏の勝負をします。結果はベートーヴェンの勝ち。その悔しさをツェルニーの父(ピアノ教師)に愚痴ったそうです。
日本では多くのピアノ初心者がお世話になっている、エチュード界の王的な(?)存在という認識があるかもしれません。が、実際は一度に7匹の猫ちゃんと暮らしていたことがある、超猫好きおじさんなのです。
また、生涯の殆どをウィーンで過ごし、旅行にもあまり行かなかったそうです。猫ちゃんを置いていけないから、、、という理由だったらほっこりしますね。
🐈モーリス・ラヴェル
もう一人、忘れてはならないのは管弦楽の魔術師、ラヴェル。フランスの作曲家で、『ボレロ』や先日紹介した『クープランの墓』など、数々の名曲とオーケストラ編曲(例えば『展覧会の絵』など)を残しました。
彼もまた猫好きおじさんで有名。しかも、20世紀でも活躍した作曲家なのでツーショット写真も残っています。こちら↓
画像が荒いですが、シャム猫でしょうか。(違ったらごめんなさい)
名前はMouni(ムーニ?)と言うそうです。猫ちゃんもですが、ラヴェルも写真映えするイケおじさんですね。
ちなみに、ラヴェルとツェルニーには猫の他に共通点があります。
どちらも生涯独身なのです。
猫を飼うと結婚できないなどとまことしやかに囁かれることがありますが、
彼らはその罠にはまってしまったのでしょうかね?
🐈まだまだいる猫好きおじさん
イギリス、アメリカ、ロシアという列強出身の作曲家たちもこのように、愛猫とのツーショットを残しています。皆、猫といると穏やかそう。
左→イギリス人作曲家ヴォーン・ウィリアムズ
中央→ロシア人(ソ連)作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキー
右→アメリカ人作曲家ジョン・ケージ
ストラヴィンスキーだけ上手くシャッター切れなかったのでしょうか、抱っこの姿勢が不自然な感じがしますね…。猫ちゃんがやんちゃだったのかな?
🐈今日の一曲
ピアノを習っていない人がツェルニーの曲を聴く機会はあまり無いかな、と思うのですが(ピアノ未経験な私がそう感じているだけかもしれません)その中で比較的有名な曲をご紹介します。
🎼ヘクサメロン変奏曲
Various composers - Hexameron (DIFFERENT PERFORMANCE VERSION)
リストが声をかけた5人のピアニスト&リストによる、合作のピアノ曲です。ベッリーニのオペラから主題を取っており、変奏曲形式となっています。 チャリティサロンのために書かれました。
5人とはこちら↓の方々。
①タールベルク(当時大人気ピアニスト。”三本の手”奏法で有名)
※”三本の手”奏法→ザックリ言うと3つの旋律を同時に弾くこと。③ピクシス(有名ピアニストだがヴァイオリンとチェロもできた)
④エルツ(当時の人気ピアニスト。星飛雄馬がしていたみたいな、ピアノ用の指ギプス<ダクティリオン>を発明するも、故障者多発な結果に)
⑤ツェルニー(ウィーンで有名なピアノ教師)
⑥ショパン(言わずと知れたピアノの詩人)
※①③…は変奏の番号を示しています。②はリスト編曲分。
ツェルニー編曲分は上の動画だと13:22から。
開始二小節目後半のアレンジのリズムと音型で心を奪われ、「書くの楽しかったのかしら?」なんて思って聴いていくと、アレンジ主題の再現時にどーんと属七の和音で落とされて(14:24)、もう…!
他のピアニストたちのアレンジも必聴です。