スウの独り言

趣味のことをとりとめなく書きとめるブログ

200年余りの間変わることなくあり続けたエールを受け取ろう!

私の人生の応援団長は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンである。

 こんにちは、スウです。
早速今週のお題である「応援」ですが、私が人類史上最も応援団長として最適だと思っている人物についての想いを少しだけお話しします。

 
🎼ベートーヴェンという人物

 

クラシック音楽を殆ど知らない(もしくは興味のない)人でも名前くらいはきっと聞いたことがあると思います。彼は音楽家でありながら30代から耳の病気に悩まされ、晩年は殆ど音が聴こえなかった中でも作曲家として素晴らしい曲を数多く残しました。日本では”楽聖”とも呼ばれて、年末の第九交響曲はおなじみですね。かくいう私も、オーケストラの生サウンドをはじめて体験した中学生の音楽鑑賞会、曲目はベートーヴェン作曲の交響曲第6番でした。それを聴いてから一気に彼の曲の虜です。

話が少し逸れました。ベートーヴェンは作曲家として有名ですが、最初はピアニストとして人気を博していました。飲んだくれな父親のスパルタ教育で小さいころからピアノを猛練習させられたというのは有名な話。それが耳の病気の進行に伴って作曲家としての活動にシフトしていきます。そんな転換期に書かれた重要な書簡を知っていますか?

ハイリゲンシュタットの遺書 と言うものです。

名前の通り「遺書」であり、前半部分は耳の病気に対する苦悩とその苦悩から逃れるために自殺を考えた―そんなことが暴露されています。ただ、この「遺書」の後半部分は耳の病気という運命を受け入れて作曲家としての使命を果たそうという力強い決意が書かれているのです。後半部分の文体はさながら一幕の台詞のように時には挑戦的で、時には悲劇的に感じられて、まるで彼の音楽を聴いているようです。

その「遺書」を書いた後のベートーヴェンは、皆さんの知る通り「暗から明へ」「苦悩から歓喜へ」を大きなテーマとして、また、かねてより彼が持っていた「哀れな悩める人類に・未来の人類に役立ちたい」という熱意も実って、現在の不動の地位を築いたのです。

 
🎼ロマン・ロラン氏の評

 

さて、フランス人作家のロマン・ロラン氏はベートーヴェンの没後100年記念祭でこう述べたそうです。

ベートーヴェンに比べては、他のいかなる音楽家も、蓄積しまた投げ与えることのなかったところの前代未聞のエネルギー。それは自然の一要素エレマンであり、大滝をなして奔流する流れである。それは精神を引き浚い、それは肉体を活気づける。轟く水門が情熱の潮のために破られる時、私は自分が思わず立ち上がって叫び出さないためには、自分の小さな腰掛の寄っかかりにジッと自分を制して押さえつけていなければならなかった。――それは、たとえば『エロイカ』の終曲の勇躍、『第九交響曲』の、時ならぬ叫喚を伴うテノールの歌や行進曲、『コリオラン』序曲の憤激の爆発、『エグモント序曲』の終りの解放された群集の雀躍、猛烈なクレッシェンド(漸次強音)、また『第五交響曲』のスケルツォーから流れ出てフィナーレの中に落ち込むところの眩暈めまいのする潮流、もしくは『レオノーレ』第二、第三の序曲の疾駆する終末の流れを聴いた時に。……私はここでは幾つかの滝つ瀬を思い起こすにとどめよう。(『ベートーヴェンの生涯』付録ベートーヴェンへの感謝より抜粋)

文学的な表現を抜きにすると「ベートーヴェンの音楽には他の音楽家には及ばないすさまじいエネルギーがあるように思える」としていくつかの曲を挙げています。そして私もそれには同意です。ベートーヴェンのいくつかの音楽には「歩みを止めている人の背中をドンと押してくれる感覚」や「気持ちの昂りを促す効果」があると思うのです。

勝利というか大団円というか、色々あったけど最後は「は~良かったねー」って安堵できる、精神的に安定できる感覚。それが彼の曲の一番の魅力だと思います。

そして、最後まで耳の病気と闘ったベートーヴェン自身がそうあってほしいと強く願ったからこそ書くことができたのかもしれないと考えると、大きな病気も無くのうのうと暮らしている私がくよくよ悩むことさえ恥ずかしくなるのです。皆さんも、悩み事があったら彼の曲を聴いてみてください。精神的にかなり効果がありますよ。

ちなみに。。。

今年2020年はベートーヴェン生誕250周年であり、ベートーヴェンのアニバーサリーイヤーとして全世界が大盛り上がり。私も色々なところに行って彼の曲を堪能するつもりですので、それらも記事にしたいなあと思っております。

 
🎼今日の1曲

 

安堵感や幸福感を感じられる曲は第九交響曲が一番だと思っていますが、この曲はCDで聴くと魅力が半減するくらい、ホールで聴くのが格別です。本当に鳥肌が立ちます。ということで、今日の1曲はこちら。ロマン・ロラン氏も絶賛の交響曲第3番<英雄>です。クラシック音楽初心者にとっては少し長いのですが、冒頭の2音が印象的。こちらの表題はベートーヴェンがつけたもので、英雄が颯爽と馬に乗って登場、とイメージすると良いかもしれません。勿論、ロラン氏のいう4楽章(終曲)にいきなり飛んでも良いと思います。ホルンがひたすらカッコいい。


交響曲第3番《英雄》(ベートーヴェン)

追伸

はてなブログのお題をもとに書いていますが、記事の方向性に若干のズレを感じています。が、直すつもりはありません。。。悪しからず。